事業フィールド

BUSINESS FIELD

技術職

くじけそうなときは
「レクサスのカタログに
自分の技術を載せてやる」と
自らを奮い立たせる

藤本 也久
第1生産技術部 ボデー生技室 ボデー企画・開発グループ
2010年入社

01入社を決めた理由

世界に通用する“メイドイン九州のモノづくり”へ憧れ入社を決意

九州で生まれ育ったため、九州でモノづくりができる企業にこだわって就職先を探しました。その中でもレクサスブランドの車両を高いレベルで製造しているトヨタ自動車九州。“メイドイン九州のモノづくり”その強い思いに興味を持ち、自分もその一員に加わって世界に通用する技術の企画・開発に携わりたいと思い志望しました。

02現在の仕事内容

進化するクルマの性能・設備に対応できる生産技術の開発を目指して

車両の骨格構造(ボデー)をつくるための溶接技術を研究開発しています。私たちの任務は日々進化するクルマの性能や設備に応じて、生産技術を進歩させていくこと。特にボデーの溶接は、車両生産ラインの中でも高いオートメーション化率を誇っているため、多くの産業用ロボットや加工機の開発・維持管理が必要になります。設計部門から新しい車両の設計図が届くと、どうすればこの図面通りのボデーがつくれるかを検討し、製造現場に設置する製造工程(ライン)を設計。単にボデーの形をつくるだけでなく、素材同士を美しく、素早く溶接させるための技術を日々研究し、設備や素材の改良を重ねています。

03仕事でのエピソード

信念がモノづくりに直結した瞬間

打ち合わせ風景

私たちが手掛けているレクサスの車内を「もう少し静かにできないか」と発案したことをきっかけに、静粛性向上のための「新しい生産技術の開発」を任されたことがあります。自身の業務外となる新素材開発まで含めた開発となり、プロジェクトは設計部や製造部など、関係する各部署の社員だけでなく、素材メーカーや設計メーカーの方々にも協力いただくなど大掛かりなものでした。

まず私たちは、ボデー内部の隙間を埋めて音の伝達を遮断しようと考え、隙間を埋める素材を探すことに。しかし条件に見合う物はなかなか見つからず、メーカーの方に協力してもらい素材から開発することとなりました。当初はうまく発泡しなかったり、製造ラインを進むうちに剥がれてしまったりと失敗ばかり。
ボデー内部の隙間を確実に埋めることができる材料の開発、そして、その材料を現地生産ラインにおいて安定して車体鋼板に吹き付ける量産技術の開発を進めていきました。
もちろん、容易な道のりではなく、
上司に「もう無理かもしれません」と何度も相談しましたが、上司はそのたびに「本当に困っていることは何だ」と絡まった思考を整理してくれ、問題の本質を見極められるよう導いてくれました。挫けそうなときは「レクサスのカタログに自分の技術を載せてやる」と自らを奮い立たせ、2年かけて実用化させることができました。「絶対に静かにさせる」という信念が、モノづくりに直結したのでしょう。チーム一丸となって成し遂げた一大プロジェクトだったので、大きな達成感と自信につながりました。

04トヨタ自動車九州の雰囲気

リーダーに必要な「鳥の目」が養われる環境

若手の頃からリーダーの目線を育てられます。入社当初の私は、研究中に問題が起きると物事の細かい部分にとらわれ全体が見えなくなる、いわゆる「虫の目」になりがちでした。しかし、上司は物事を高い位置から見渡して「鳥の目」を持って問題点を指摘してくれ、視野を広く持つリーダー目線の大切さを教えてくれます。

実務の面では、開発から設計、製造まで一貫して自社で実施しているため、部署間の距離が近く、スピード感をもって仕事ができる環境です。新技術開発のプロジェクトの際も、自分の机上で出したデータを持って試験室や製造現場に出向き、すぐに試験することができました。全員が同じ目標のもとで問題や課題を共有できるという点も、部署間の距離が近いトヨタ自動車九州ならでは。自然とチームワークが生まれる環境です。

インタビュー風景

05これから挑戦したいこと

変革期のチャンス逃さず、新技術の開発にチャレンジ

世界的な電気自動車(EV)シフトの流れに代表されるように、自動車業界は大きな変革期を迎えています。私はこの変革を新技術導入の大きなチャンスととらえ、自分の担当する溶接工程からあっと驚く技術革新を起こしたいと思っています。例えば、より高強度のボデーの研究・開発を進めて、事故の際の衝撃を低減させる技術。そして加工性に優れた原料や、軽量化、低燃費化を実現できる素材の開発などにも挑戦していきたいです。こうした技術開発のために、大学やモノづくり企業の技術展などを回って、ボデーづくりに使えそうな新技術を探ることも。日々アンテナを張って情報やアイデアを集め、技術を磨いています。

一日のスケジュール
8:30
出社
9:00
計画進捗確認
10:00
現場確認
12:00
昼食休憩
13:00
実験・検討
19:00
業務終了、帰宅
私はここを担当している!

車両の骨格構造(ボデー)をつくるための溶接技術を研究開発しています。より効率よく、高精度に生産できるよう、日々取り組んでいます。

Message学生へのメッセージ

  • 普段の生活の中でいろいろなことに興味を持ち、視野を広げる意識を持ってください。多くの学生の皆さんは研究室やゼミで日々専門的な知識を磨いていると思います。社会人になると、それだけでなく時に視線を上げて全体を俯瞰し、チームを導く能力が求められます。何にでも興味を持ち見聞を広める習慣を身に付け、幅広い考え方を養うことが重要だと思います。